大学生活の経済的支えとなる奨学金。「借りないと進学できない」「学費が高すぎて…」と感じている大学生は多いのではないでしょうか。実際、日本学生支援機構(JASSO)の「令和4年度 学生生活調査」によると、大学(昼間部)の学生の55.0%、短期大学では61.5%が奨学金を受給しており、今や大学生の2人に1人以上が利用する身近な制度となっています。
しかしその一方で、「卒業後に果たして返済できるのか」「大きな借金を背負うことへの不安」は尽きないものです。低賃金や非正規雇用が原因で奨学金返済に苦しむ若者や、保証人となった親の老後破産といった深刻な社会問題も指摘されています。この記事では、奨学金に関する皆さんの不安を解消すべく、賢い借り方、卒業後の具体的な返済計画、そして最新の制度改正で拡充された支援策をMottoEキャンパスが徹底的に解説します。
奨学金の現状と「返済の現実」:2人に1人が利用する制度の光と影
奨学金利用が急増した背景
奨学金利用者が急増した背景には、日本の経済状況の変化が大きく影響しています。1990年代以降、労働者の賃金や世帯年収が伸び悩み、一方で大学の学費(特に私立大学)は高騰の一途をたどってきました。国立大学の初年度納入金が約81万円、私立大学では平均131万円にも上る中、多くの家庭が奨学金なしでは子どもを大学に通わせることが困難になっているのです。
貸与型奨学金の「返済の現実」
JASSOの奨学金には、返済不要の「給付型」と返済が必要な「貸与型」があります。特に貸与型は、無利子の「第一種」と有利子の「第二種」に分かれ、第二種は比較的利用しやすいものの、利息が発生します。
貸与型奨学金の「返済の現実」は厳しく、平均的な毎月の返済額は約16,880円、返済期間は約14.7年に及びます。総額が大きくなれば20年以上かかることも珍しくありません。ある試算では、大学4年間で月10万円(総額480万円)を借りた場合、20年間で元金に加えて約35%の利子を支払い、総額645万円以上を返済することになります。これは、新卒の平均手取り収入(約16万円台)からすると、毎月約10%以上を奨学金返済に充てることになり、大きな負担です。
奨学金延滞の現状
こうした状況から、奨学金の返済が困難になる学生も後を絶ちません。JASSOの調査では、約3%の学生が返済を延滞(滞納)しており、さらに約2割の学生がこれまでに延滞経験があると回答しています。延滞の主な理由としては、「本人の低所得」(62.8%)や「本人の借入金(奨学金以外)の返済」(34.5%)が挙げられています。
さらに深刻なのは、奨学金申請時に「返済義務」を十分に理解していなかった学生が、延滞者で約3割も存在することです。また、返済が困難になった際の「減額返還制度」や「返還期限猶予制度」といった救済制度の認知率も低く、多くが督促を受けてから知るという実態があります。
「卒業後の安心」を手に入れる!賢い借り方と返済計画3ステップ
奨学金は、未来への投資になり得る大切な制度です。不安を抱えるのではなく、賢く利用し、計画的に返済することで、卒業後の人生を安心して歩むことができます。MottoEキャンパスは以下の3つのステップを提案します。
1. 徹底的な情報収集と「給付型」の優先順位付け
まず何よりも、利用可能な奨学金制度を徹底的に調べましょう。そして、返済不要の「給付型奨学金」を最優先で検討してください。
- 国の修学支援新制度: 2020年4月から始まった「高等教育の修学支援新制度」は、住民税非課税世帯やそれに準ずる世帯を対象に、授業料・入学金の減免と給付型奨学金がセットで支給されます。さらに2024年度からは、多子世帯の中間層や私立の理工農系学生も支援対象が拡充されました。自身の家庭が対象になるかを必ず確認しましょう。
- 大学・地方自治体・民間団体の独自奨学金: JASSO以外にも、各大学、地方自治体、企業、NPOなどが独自の給付型・貸与型奨学金を提供しています。これらは、募集人数が少ない場合もありますが、条件が合えば大きな助けとなります。MottoEキャンパスでも、あなたに合った奨学金情報を検索・提供しています。
ステップ2:必要最小限の借入と「有利子・無利子」の理解
給付型が難しい場合、貸与型奨学金を検討しますが、「必要最小限の金額」を借りることが鉄則です。
- 家計と学費の徹底シミュレーション: 入学金、授業料、教材費、生活費など、大学卒業までに実際にかかる費用を家族と話し合い、明確に把握しましょう。その上で、本当に奨学金で補うべき金額を割り出します。
- 第一種(無利子)を優先: 借りる場合は、まず「無利子の第一種奨学金」の利用を目指しましょう。返済負担を大きく軽減できます。
- 第二種(有利子)の金利を理解: 第二種を利用する際は、金利がつくことを十分に理解し、固定金利か変動金利かといった返済方式も慎重に選びましょう。JASSOのシミュレーションツールを活用して、卒業後の返済額を具体的にイメージしておくことが重要です。
- 入学金は別途検討: JASSOの奨学金は入学後の振り込みになるため、入学金には間に合いません。国の教育ローンなどを併用する必要がある場合もあります。
ステップ3:卒業後の「賢い返済計画」と「救済制度」の活用
奨学金は借りたら終わりではありません。卒業後の返済計画を立て、いざという時の救済制度を知っておくことが大切です。
- 「繰り上げ返済」を積極的に活用: 余裕資金がある場合は、積極的に「繰り上げ返済」を行いましょう。特に有利子の第二種奨学金の場合、利息の総額を大幅に減らすことができ、返済期間も短縮されます。機関保証を利用している場合、保証料の一部が返還されるメリットもあります。ただし、手元資金が不足しないように注意が必要です。
- 返済困難時の救済制度を知る: もし卒業後に病気や失業、低所得などで返済が難しくなっても、JASSOには「減額返還制度」(月々の返済額を減らす)や「返還期限猶予制度」(返済を一時的に停止する)などの救済制度があります。また、収入に応じて返還額が変わる「所得連動返還方式」も選択できます。これらの制度を事前に知っておくことが、精神的な安心に繋がります。一人で悩まず、必ずJASSOや大学の奨学金窓口に相談してください。
- 金融リテラシーの向上: 奨学金は「借金」です。社会人になってからも家計管理やライフプランニングに関する金融リテラシーを向上させることが、健全な返済計画を維持する上で不可欠です。MottoEキャンパスでも、お金に関するコラムを発信していきます。
奨学金は、あなたの夢を叶えるための大切な手段です。不安を一人で抱え込まず、MottoEキャンパスが提供する情報を活用し、賢く、そして計画的に大学生活と卒業後の人生を設計していきましょう。